事例で学ぶ 民法1

未成年者(15歳)のケンジ君は法定代理人(親)の同意なく自分の自転車を3万円でダイスケ君に売る契約をしました。この事例について

①ケンジ君は思い直し、ヤッパリ売るのをやめることにして、取り消しの意思表示をしました。

ダイスケ君ごめんね。ヤッパリ自転車売るのやめるわ。

この取り消しの話も法定代理人(親)の同意を得てません。

親はこの、やーめたの取り消しを取り消すことができるか?

答え

できない。

ヤッパリやめた!の意思表示は未成年者でも有効な法律行為になります。

未成年者が取り消したときには完全に有効な法律行為になっているので、その後、法定代理人(親)が取り消したことを取り消すことはできません。

なぜ、未成年者でも取り消しができるのか?

話が元に戻るだけだから不利益にならないからです。

というのと、取り消すことを取り消すんですか?

ややこしくてしょうがない。

法律関係が安定しないという理由があります。

②ケンジ君はダイスケ君から1万円自転車代の一部として受けとりました。そのままゲームセンターに行って全て使ってしまいました。

法定代理人(親)が自転車の売買契約を取り消した場合、ケンジ君はいくらお金を返さなくてはいけないか?

答え 0円

契約が取り消されると最初から無効になります。

なのでケンジ君はダイスケ君にお金を返さなくてはいけません。

ただ、、ですよ。未成年者は保護規定があります。

未成年者は現存利益を返せば良い。となっています。

現存利益?なんだそれ?

そのままの形で残っているか、形を変えて残っているものと思って頂ければいいと思います。

生活費や債務の弁済でなくなった場合は、貴方のサイフから出るはずのお金をそれに当てたんですよね?

じゃ、貴方のサイフにはそれが残っているはずですよね?

という理屈で返さなくてはいけません。

ゲームセンターで使ったものはただの浪費と考えられるので返さなくても良いことになっています。

ただ、法律上返さなくて良いのと実際問題それでいいのか?という問題はベッドだと思いますのでよく考えましょう。

③ダイスケ君は自転車を売ってもらい、一年楽しく自転車に乗っていました。ふと思い、契約を取り消されたら返さないといけないのかな?

どっちなんだろ?

突然返せ!って言われても困るし確認してみよう!

ケンジ君に2ヶ月以内に ホントに売ってくれるのか、取り消すのか返事ちょうだい!催告をしました。

2ヶ月待っても返事がありません。

このとき、ケンジ君の法定代理人(親)はこの契約を取り消すことができるか?

答え  できる。

ダイスケ君。聞く人が間違っています。例えば、何の権限もない平社員に商品を買う権限はありません。

権限は主任、課長、マネージャーだったりします。

それと同じで権限のない人に催告しても何の法的効果はありません。

この事例では返事がなくてもなんの効果もありません。

未成年者には、受領能力がないという言い方になります。

ダイスケ君は法定代理人の親に言うべきだったでしょう。そのときは返事がなければ契約を追認(認める)ことになり、確定的に契約成立になります。その後は取り消すことができません。

④ダイスケ君は自転車を売ってもらいましたがお金を払ってません。

1年後ケンジ君はお金を払うよう催告しました。このとき、法定代理人(親)はこの契約を取り消すことができるか?

答え  できる。

1年後はまだ未成年者であるので催告しても法的効果は得られません。

なので法定代理人はこの契約を取り消すことができます。

どうだったでしょうか?

なかなか知らなかった論点があるのではないでしょうか?

未成年者は保護されていると漠然とわかっていても、どういうシーンで?どう保護されるの?

知らない方多いのではないでしょうか?

このサイトでは少しずつ身近にありそうな事例で解説していきます。

また見に来てくださいね!

それでは!

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