⑩CFP タックスプランニング 2020−2 過去問 問題解説 不動産所得 事業的規模による取扱いの差異

CFP 過去問題 タックスプランニング

解説用動画はこちら

Bさんが行うビル賃貸業は、事業的規模の形式的要件を満たしており、以前から所得税の申告を青色申告により行っている。不動産の貸付けが事業的規模である場合と事業的規模でない場合の所得税における取扱いの差異に関する次の記述は◯か✖️か答えよ。
尚、Bさんは不動産の他に所得はないものとする。

1,不動産所得で適用できる青色申告特別控除の金額は、事業的規模に関わらず、最高で10万である。

解答  ✖️

ポイント

不動産貸付が事業的規模で行われている場合は、最大55万円または65万円の控除を適用できる。それ以外の場合には10万円となる。

尚、事業的規模とは原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかにより実質的に判断するが、形式的な要件を満たしていれば、事業的規模として認められる。形式的要件とは、貸付規模が5棟10室以上(戸建ての場合は5棟以上、アパート、マンションなら10室以上)であることをいう。

2,不動産所得が損失となっても建物が事業用であれば、建物を取り壊して生じる資産損失の金額は、事業的規模にかかわらず、その全額を必要経費に算入することができる。

解答 ✖️

ポイント

事業的規模以外の貸付用固定資産の場合は、その年分の資産損失を差し引く前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入される。

貸付用固定資産の取り壊し、除却などの資産損失については、不動産貸付が事業的規模で行われている場合はその全額を必要経費に算入する。尚、資産損失とは取り壊しや除却された資産そのものについて生じた損失の金額であり、損失を生じた日における帳簿価額(資産の取得価額ー減価償却累計額)をもとに計算する。

3,銀行借り入れをして取得した賃貸用ビルの土地に係る不動産所得が損失となる場合、損失のうち借入金利子の額に相当する金額は、事業的規模である時に限り生じなかったものとされる。

解答 ✖️

ポイント

不動産所得が損失となる場合、必要経費に算入した金額のうち、賃貸用土地等を取得するために要した借入金利子の額があるときは、損失のうち借入金利子の額に相当する金額は生じなかったものとされ、他の所得との損益通算や翌年の損失の繰越はできない。これは不動産貸付の規模にかかわらず適用される。

4,青色申告の事業専従者に支払う給与の金額は、事業的規模である時に限り、一定の要件を満たせば、必要経費に算入することができる。

解答 ◯

事業的規模の判断はあくまでも社会通念上、事業と称するに至る程度の規模で貸付が行なれているかどうかの実質判断で行う。

しかし、判断基準として、建物の貸付であれば独立家屋は概ね5棟以上、アパートなどは概ね10室以上、駐車場であれば概ね50台以上、貸地であれば概ね50件以上を事業的規模として判断することもできる。

解説用動画はこちら

タイトルとURLをコピーしました