111問目 CFP試験 独学用 タックスプランニング 上場株式等の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

CFP 過去問題 タックスプランニング

たろさんの2017年から2021年までの上場株式に係る譲渡所得の金額及び配当所得の金額は以下の通りである。上場株式の配当所得について申告分離課税方式により確定申告をした場合、たろさんの2021年分の所得税の計算上、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の規定により、上場株式に係る譲渡所得の金額から控除される損失の金額はいくらか?

・たろさんは、2017年分の所得税の確定申告以降、継続して上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受けており、2016年以前には株式等の取引を行なっていないものとする。

・上場株式はいずれも内国法人のものであり、持株割合はいずれも3%未満である。

・少額投資非課税制度による譲渡所得、配当所得は含まれていない。

・上記の表の金額は、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受ける前の金額である。

・上記の取引は全て証券会社を経由して行なっている。

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◯上場株式等の譲渡損失の控除順序

上場株式等の譲渡損失の控除順序は次のとおりである。ただし、配当所得は申告分離課税を選択する必要がある。

①上場株式等の譲渡損失+その年の上場株式等の配当所得

② ①で引ききれなかった上場株式等の譲渡損失+翌年の上場株式等の譲渡益

③ ②で引ききれなかった上場株式等の譲渡損失+翌年の上場株式等の配当所得

この順序で譲渡損失が生じた以後3年間繰越控除できる。

なお、上場株式等の譲渡損益には特定公社債等の譲渡損益や償還差損益を含み、上場株式等の配当所得には特定公社債等の利子を含む。

<計算>

①2017年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  134万円ー(158万円+1万円)=▲25万円

譲渡損失と配当所得の損益通算  ▲25万円(譲渡損失)+5万円(配当所得)=▲20万円

2018年に繰り越す譲渡損失   ▲20万円(2017年分)

②2018年分

上場株式に係る譲渡所得の金額   317万円ー(352万円+3万円)=▲38万円

譲渡損失と配当所得の損益通算   ▲38万円(譲渡損失)+6万円(配当所得)=▲32万円

2019年に繰り越す譲渡損失    ▲20万円(2017年分)および▲32万円(2018年分)

③2019年分

譲渡損失の金額の繰越控除

▲20万円(2017年分の譲渡損失)+4万円(配当所得)=▲16万円

2020年に繰り越す譲渡損失  ▲16万円(2017年分)及び▲32万円(2018年分)

④2020年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  440万円ー(417万円+4万円)=19万円

譲渡損失の金額の繰越控除

▲16万円(2017年分)+16万円 ※(19万円の譲渡所得のうち2017年分の譲渡損失の繰越分に充当する部分)=0万円

▲32万円(2018年分)+(19万円ー16万円※)=▲29万円

※2020年の譲渡所得19万円は、まず2017年分の繰越損失16万円を差し引き、次に2018年分の譲渡損失▲32万円のうち3万円を2020年分の譲渡所得から差し引く。

▲29万円+2万円(配当所得)=▲27万円(2018年分)

⑤2021年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  253万円ー(218万円+2万円)=33万円

従って、2021年分で控除される譲渡損失は、2018年分の譲渡損失の27万円が正解

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参考  108問目 HP⇨http://peace-of-daychild.work/108-cfptax

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