108問目 CFP試験 独学用 タックスプランニング 上場株式等の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

CFP 過去問題 タックスプランニング

たろさんの2017年から2021年迄の上場株式に係る譲渡所得の金額及び配当所得の金額は以下の通りである。上場株式の配当所得について申告分離課税方式により確定申告をした場合、たろさんの2021年分の所得税の計算上、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の規定により、上場株式に係る譲渡所得の金額から控除される損失の金額はいくらか?

たろさんは、2017年分の所得税の確定申告以降、継続して上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受けており、2016年以前には株式などの取引は行なっていないものとする。

上場株式はいずれも内国法人のものであり、持株割合はいずれも3%未満である。

少額投資非課税制度による譲渡所得、配当所得は含まれていない。

上記の表の金額は、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受ける前の金額である。

上記の取引は全て証券会社を経由して行なっている。

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◯上場株式等の譲渡損失の控除順序

上場株式等の譲渡損失の控除順序は次のとおりである。ただし、配当所得は申告分離課税を選択する必要がある。

①上場株式等の譲渡損失+その年の上場株式等の配当所得

② ①で引ききれなかった上場株式等の譲渡損失+翌年の上場株式等の譲渡益

③ ②で引ききれなかった上場株式等の譲渡損失+翌年の上場株式等の配当所得

この順序で譲渡損失が生じた以後3年間繰越控除できる。

なお、上場株式等の譲渡損益には特定公社債等の譲渡損益や償還差損益を含み、上場株式等の配当所得には特定公社債等の利子を含む。

①2017年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  267万円ー(295万円+2万円)=▲30万円

譲渡損失と配当所得の損益通算  ▲30万円(譲渡損失)+4万円(配当所得)=▲26万円

2018年に繰り越す譲渡損失   ▲26万円(2017年分)

②2018年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  436万円ー(417万円+4万円)=15万円

譲渡損失と譲渡所得・配当所得の損益通算

▲26万円(2017年分の譲渡損失)+15万円(譲渡所得)=▲11万円(2017年分の譲渡損失)

▲11万円(2017年分の譲渡損失)+2万円(配当所得)=▲9万円(2017年分の譲渡損失)

2019年に繰り越す譲渡損失  ▲9万円

③2019年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  118万円ー(127万円+1万円)=▲10万円

譲渡損失と配当所得の損益通算  ▲10万円(譲渡損失)+3万円(配当所得)=▲7万円

2020年に繰り越す譲渡損失   ▲9万円(2017年分)及び▲7万円(2019年分)

④2020年分 

譲渡損失と配当所得の損益通算

2019年より繰り越された譲渡損失 ▲9万円(2017年分)及び▲7万円(2019年分)このうち、まず▲9万円(2017年分)の譲渡損失から繰越控除する。

▲9万円(2017年分の譲渡損失)+5万円(配当所得)=▲4万円(2017年分の譲渡損失)

※2017年の譲渡損失(▲4万円)は、損失の発生年の翌年から3年目なので、2021年分に繰り越すことができない。2021年分に繰り越す譲渡損失は▲7万円(2019年分のみ)

⑤2021年分

上場株式に係る譲渡所得の金額  352万円ー(329万円+3万円)=20万円

従って、2021年の譲渡所得の金額から控除される金額は、2019年分の譲渡損失の7万円が正解

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